ホテル建設バブル?

水野堅蔵

この度、関西からもライフスタイルラボの情報をお届けすることになりました。拙筆にてお見苦しいこととは存じますが、どうかよろしくお願い申し上げます。

私の事務所は大阪市の繁華街ミナミの一角、心斎橋にある。ここは東京の銀座のように周囲には海外の一流ブランドの旗艦店が軒を連ねていて有名な観光地でもある。商業店舗の集積度が非常に高く、大丸百貨店や長大な心斎橋筋商店街に様々な店があるので昼食などで外出すると、回りからはアジア系の言葉ばかり、ということも珍しくない。2016年は訪日外国人が初めて2,000万人を突破した(約2,404万人、前年比21.8%増)とのことだが、たしかに実感としてうなずける。

最近、関西の観光地や都心部ではこういった、特にアジアからの観光客が爆発的に増え、ホテル不足が盛んに喧伝されている。私も、およそ1年半くらい前に得意先からマンション用地の仕入れとして依頼された入札物件で土地価格評価調査をお手伝いしたのだが、なんと2倍近くの価格差でホテル計画にさらわれてしまったことがあった。

実際、ここ心斎橋から難波、本町付近をはじめ、大阪都心部でもホテル計画が目白押しである。直近の2017年1月の1ヶ月だけの建築着工情報を見ても、大阪市中央区の4棟をはじめ大阪市で7棟、京都市で14棟という、まさにホテルバブルの様相を呈している。大阪市は特区として条件付きながら民泊も解禁された。
梅田でも先ごろJR西日本が大阪駅北側のグランフロント大阪の近くに客室数400のホテル計画を発表した。周辺は宿泊施設が多い上、新規の計画も目白押しで今後競争が激化する見込みである。先だっては積水ハウスが天王寺区で宿坊をテーマにした宿泊施設を建設し、2017年3月に開業すると発表した。宿坊の宿泊者は座禅や写経、精進料理を体験できるなど他との差別化を図るとのことだ。主に外国人をターゲットにしているのであろう。ホテル専業が事業主という所も多いが、こういったマンションデベロッパーや異業種、個人の参入も目立ってきている。

確かに出張で大阪に来る同僚に聞いても、ホテルは極端に取りにくくなっており、大きなイベントやコンサートなどがあるときは料金も倍以上になるようなことも聞いた。今後も内外の観光、ビジネス向けをはじめとしてホテル需要は順調に推移していくのだろう。
ただ、関西の経済にとってプラスなのは間違いないだろうが、これだけ皆が同じ方向を向いてホテル、ホテルと騒いでいるのは少し薄ら寒い気もしてくる。マンション業界が繰り返す、供給過剰と価格高騰~販売不振・供給抑制・価格下落(今まさに首都圏がこの状態の真っ最中のようだ)の轍を踏まないようにと願うばかりである