東西ねぎ文化の境界 越津ねぎ

浅井 真吾

関東は白ねぎ、関西は青ねぎ、東海は?

みなさんは、ねぎには「白ねぎ」と「青ねぎ」の二種類があることをご存知だろうか。

ねぎは地域によって違いがあり、関東を始めとする東日本では白ねぎ(根深ねぎ)、関西を中心とする西日本では青ねぎ(葉ねぎ)が一般的である。白ねぎのブランドとしては群馬県の「下仁田ねぎ」、青ねぎのブランドとしては京都府の「九条ねぎ」がよく知られている。

では東海はどうかというと、その中間に位置しているからか、白と青の中間的な性質を持った珍しいブランドが存在している。それが「越津ねぎ」である。主に江南市、岩倉市、一宮市、津島市といった尾張地域で栽培されており、11~3月に出荷される。

江戸時代からの歴史を有する地域ブランド

「越津ねぎ」の名称は、津島市越津町に由来する。愛知県は濃尾平野に代表されるように、古くから温暖な気候と河川が運ぶ豊かな水に恵まれた土地であるため、古くから野菜づくりが盛んな地域である。

「越津ねぎ」も江戸時代中期に栽培が始まっており、徳川幕府や尾張藩にも献上されたという歴史もある。現在では、愛知県が選定している「あいちの伝統野菜」の35品種にも名を連ねている。

白ねぎと青ねぎの両方を楽しめる一品

「越津ねぎ」の特徴は、葉の部分と軟白(白根)部分の両方とも食べられることである。「下仁田ねぎ」のような白ねぎにも葉の部分はあるが、固くて食べられない。しかし、中間種である「越津ねぎ」では「白ねぎ」と「青ねぎ」の両方を楽しむことができるのである。

通常のねぎは1つの種から1本が育つのに対し、「越津ねぎ」は分けつ性(株別れ)が強く、1つの種から15本くらいが育つ。そのため、通常の1本ねぎよりやや細いが、水分が多くて軟らかく甘味があるといわれている。

また、JA愛知北によれば、「越津ねぎ」には体内で老化やさまざまな病気を引き起こす活性酸素を消去する効能(活性酸素消去活性率)もあるそうである。つまりアンチエイジングや老化予防にも効果が期待できるといえる。

愛知県の食文化としては味噌やきしめん等が有名だが、ねぎにも関東や関西とは違った独特の風土がある。愛知県においては、こうした魅力もぜひ味わっていただきたいところである。