超高齢社会の日本。高齢者・要介護者等の住まいに対する備えは充分か?

加藤 高伸

人口推計では、日本の高齢化率は今後さらに進み、2060年(平成72年)には、39.9%に達し、2.5人に1人が65歳以上となる。

●日本は世界のどの国も経験したことのない超高齢社会を迎えようとしている。65歳以上の高齢者人口は、平成54(2042)年に3,878万人でピークを迎え、その後は減少に転じるが、高齢化率はさらに上昇。

●平成72(2060)年には高齢化率(65歳以上)は39.9%に達し、2.5人に1人が65歳以上となる。また同年、75歳以上人口が総人口の26.9%となり、4人に1人が75歳以上となる。

高齢化の進展とともに、要介護者等の人口も増加。 2004年→2014年の10年間で211.5万人増加。 (年平均の増加率は15%)

●介護保険制度における要介護者又は要支援者と認定された人(以下「要介護者等」という。)は、平成26(2014)年度末で605.8万人となっており、10年前の平成24(2004)年度末から211.5万人増加している。今後も増加の一途を辿る見込み。

●ちなみに、65歳以上の要介護者等の人口(235.4万人)は、65歳以上の人口全体(3300万人)の約7%を占める。

※「要介護者等」=要支援1、2および要介護1~5までの方々の総体

要介護者等の受け皿となる「高齢者向け住宅と介護施設」の整備率は全国平均で5.64%。愛知県はやや整備率が低く4%台で、最下位から4番目。

●愛知県や東京都・大阪府など都市化が進む都府県では、地価が高く、建設用地の確保が難しいため、特に特別養護老人ホーム(特養)の建設が困難という状況がある。

※整備率は、各施設定員・病床数の合計を65歳以上の高齢者人口で割った数字。

※「高齢者向け住宅と介護施設」としては、❶介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養病床) 、❷サービス付き高齢者向け住宅、❸認知症高齢者グループホーム、❹有料老人ホーム、❺軽費老人ホーム、❻養護老人ホーム の6分類を想定。

 

時折ニュースで取り上げられる「特別養護老人ホームの入所申込者(待機者)数」は入所条件を2015年から「原則、要介護3以上」としたため、大幅に減少。ただし、それでも全国で約36万人が待機中。

●前回2014年の調査では、全国で52万人の待機者がいた。この数は入居者と同等の数であり、異常とも言える事態である。

●この現象は、介護を提供とする施設としては、特養は有料老人ホーム等と比べて費用負担が比較的小さいことが、申込者が集中する大きな要因。また、要介護1の軽度の方の申込みも可能だったことも大きく影響。

●この是正策として、国は2015年から入所申込条件を「原則として要介護3以上」とした。しかし、潜在的に対象人数は増加傾向にあるため、問題の根本的解決とはなっていない様子。

※現在も要介護1~2の方も特養への入所は可能であるが、特別な場合に限定される。

愛知県の特別養護老人ホームの入所申込者(待機者) の要介護者3~5の人数に占める割合は、全国の中では低く状況は悪くはない。ただし、それでも1万人程度が待機中。

●入所申込者数の率で見ると、全国平均で13.8%。東海3県では三重県は16%台、岐阜県は19%台で平均より高いが、愛知県は10%台であり、比較的待機率が低い。ただし、実際の人数としては約1万人にもなる。

アクティブシニア~生活支援が若干必要という層は、「サービス付高齢者向け住宅(サ高住)」や「シニアマンション」等を選択する可能性があり、今後の住宅市場で一定の割合を占めると推測。

●アクティブシニア層が徐々に生活支援が必要になっていく場合には、自宅でそのまま暮す以外の選択肢としては、医療機関との提携がある分譲系の「シニアマンション」や、賃貸の「サービス付高齢者向け住宅」がある。

●後者については、建設の補助金や優遇税制もあり、確実にその数を増やしている。サービス・運営面で、やや問題となるケースもあるが、高齢者の住まい方のひとつとして定着するものと推測される。

●健康な状態を長く維持する高齢者は今後ますます増加するものと推測され、高齢者の意識としても、介護施設やその類の施設ではなく、通常の住まいに生活・医療サービスを付加したような住宅を選択する可能性は高いと考えられる。こうした背景から、これらの市場の拡大が推測される。

 

愛知県は「サ高住」の高齢者人口に対する戸数比率はかなり低く、まだ発展途上の市場。換言すれば、今後の市場拡大が期待される。

●サ高住の65歳以上の高齢者人口に対する戸数比率は平均で0.63%。三重県は水準が高く、全国2位だが、愛知県は0.46%と低い。今後、高齢者のさらなる増加やサ高住の登録増加傾向をみると、将来も建設件数は伸び、市場が拡大するものと予測される。

●いずれにしろ、高齢者といっても70歳位まで健康で働く方々は増え続ける傾向であり、社会やコミュニティのあり方、そして住まい方も多種多様になっていくと予測される。

 

******************************************************

★なお、愛知県の市町村別の65歳以上の高齢化人口・高齢化率、サービス付高齢者向け住宅の戸数、特別養護老人ホームの定員等データやグラフを作成しています。関心のある方は必要事項をご記入の上、資料をダウンロードしてください。

資料ダウンロード

資料をご希望の方は下記フォームをご記入ください。 ご記入のメールアドレスにダウンロードリンクが送信されます。

会社名
お名前 (必須)
メールアドレス (必須)
個人情報の保護について(必須)