名古屋市と繋がりが強くなった都市、弱くなった都市は一体どこだ!?

佐藤寛文

名古屋市とつながりを強めつつある三河エリア

今回は平成27年10月に行われた国勢調査で、先月末(平成29年6月28日)に公表された「従業地・通学地による人口・就業状態等集計」のデータを元に、名古屋市に通勤で流入する都市の特徴を平成22年と平成27年の比較をして、その傾向を探ってみました。

平成22年から平成27年の5年でみると、名古屋市に通勤で流入してくる人口の増減数は、名古屋市の尾張エリアからの流入が減少しているのに対し、三河地域からの流入が増加しているのが特徴として表れています。

特に、名古屋市に流入している都市(平成27年で1000人超の流入都市)のうち、上位10都市の(増減率)をみると刈谷市(9.0%)、知立市(7.6%)、豊川市(6.6%)、蒲郡市(6.1%)、みよし市(5.9%)といったように上位10都市のうち6都市が三河エリアの都市で、三河エリアが就業面(通勤)で名古屋市との結びつきをより高めていることが伺えます。

一方、大きく減少しているのは、犬山市の-6.1%、豊明市-5.8%、岩倉市-5.7%、小牧市-5.6%、東郷町-5.0%といったように、名古屋市の郊外ベッドタウン都市でこれまで名古屋経済を支えてきた団塊世代の定年などによって、名古屋市通勤層が減少していることが背景のひとつとしてあげられそうです。

団塊リタイアの影響? 岐阜県の東濃と西濃で現れた名古屋市とのつながりの違いとは?

次は名古屋市に流入する岐阜県南部エリアの特徴をみてみます。

岐阜県のうち特に、東濃エリアと西濃エリアの違いでみると、この5年で増加しているのは大垣市が+187人、岐阜市が+130人、瑞穂市が+85人、羽島市が+69人、笠松町が+59人、岐南町が+17人といずれも岐阜市や西濃エリアの市町が中心で、いずれも、名古屋駅から電車で約20~30分程度の距離圏にあって、羽島市に至っては東海道新幹線の岐阜羽島駅を利用すれば名古屋駅まで10分でアクセスできます。

今後、この岐阜市などJR東海道線や名鉄線で名古屋とつながるエリアは、10年後のリニア新幹線開通に向けて、名古屋市との地の利(ダイレクトな繋がり)をもってさらに名古屋との結びつきを強めていくのではないかと思われます。

一方、対照的に、岐阜県内で減少しているのは、多治見市が-774人、各務原市が-351人、可児市が-582人、土岐市が-292人、瑞浪市が-102人、恵那市が-59人、中津川市が-58人といったように、JR中央線の東濃エリアが多くを占めています。

この地域は、高度成長期に名古屋のベッドタウンとして住宅開発が進められ、時代と共に高齢化が進んだ地域で、名古屋への通勤人口が”塊”として減少していることが数字でもしっかり裏付けられました。

名古屋市への流入圏が広域化?地元が減って全国大都市との結び付きが強まった!

名古屋市への流入人口を都道府県別にみてみると、隣接する岐阜県と三重県から大きく減少しているのに対し、関東・関西方面に常住し、名古屋市内で就業している人口が大きく増加していることがわかります。

例えば、関東方面からは平成22年は東京都区部からは5年で474人増。関東主要都市の横浜市からは417人増、川崎市、さいたま市からも増加しています。

関西方面からも同様の傾向が見られ、大阪市や神戸市などが特に増加しています。

5年前と比べると、名古屋市の通勤都市圏が、身近な東海圏ではややしぼみつつも、全国の大都市圏との結びつきが今まで以上に強くなり、大都市圏との広域連携、人の移動がより進みつつあるようです。