関西の「肉食」事情

水野堅蔵

関西に住んで10数年、最初はあまり意識していなかったのですが、「カレーライス」や「肉うどん」を食べると、使ってある肉は、ほぼ100%牛肉。豚肉は皆無です。こちらの皆さんは当たり前のように食べてますが、中部地方出身の私は、カレーには豚肉が普通だったので、疑問に思って調べてみることにしました。

 

どうでしょうか。あえて県単位ではなく、もう少し細分化して市単位で見てみました。笑えるくらいに牛肉の消費量トップ10は西日本の都市ばかり。豚肉は正反対で東日本の都市ばかりです。ここまではっきりと傾向が出るとは思っていませんでした。

この傾向は結構知られていて、色々な解釈、解説があるようです。曰く、昭和30年頃まで農耕用家畜としては西日本が牛、東日本は馬が主流だった。明治時代には歳をとるなどして農耕用には役に立たなくなった家畜の肉を食すようになった。(但馬牛や神戸牛が有名な兵庫県、松阪牛の三重県等ブランド牛の産地で農耕地の多い地域は西日本に多い)一方、関東に代表される東日本では、なぜか馬肉食はあまり普及せず、関東大震災後に養豚が盛んになり、今に至るというのが 有力な説のようです。

大阪をはじめとする関西では、他の地域で主流の呼び方「肉まん」を「豚まん(ぶたまん)」と呼びます。こ れは肉=牛というのが当たり前なので、あえて「豚肉を使った肉まん」と言う意味で呼 んでいるのだと思います。(牛肉を使った’肉まん’は見かけませんが)ちなみに中華料理では、基本、肉=豚肉のようです。料理名に単に肉とあるものは豚肉、牛肉は牛肉と書いてあります。(あえて豚肉ということを表すときは’猪肉’と書きます)

関西でしか店頭販売していない豚まんの有名店(通販はあります) http://www.551horai.co.jp/menu/551foods.html

ちなみに、ポークカレーが主流の「CoCo壱番屋」も名古屋をはじめとする地域に比べ関西では今ひとつ人気が無いように感じます。その代わり、みんな焼肉が大好きで本当に牛肉文化なんだなと実感します。余談ですが、こちらではすき焼きに牛肉はもちろんですが、白菜、玉ねぎ、お麩が入ることが多いようです。これも目からウロコでしたが、美味しいのでぜひ試してみてください。

ちなみに鶏肉の消費量を調べてみると、こちらは九州の都市が圧倒的かつ、上位はすべて西日本の都市でした。水炊きや唐揚げ、チキン南蛮等鶏肉を使った料理は九州発祥のものが多いイメージですが、なぜかはよく分かりません。ご存じの方がいらっしゃったらお教えください。

最後に直近の肉の卸売価格です。(1kg当り、JA全農JACCネットより)
・牛肉 957円(B-2)~2,396円(A-4)
・豚肉 610円(上)
・鶏肉 322円(胸肉)~583円(もも肉)
やはり牛肉はそれなりに高価ですね。