ナゴヤ百貨店事情2018。変貌する流通の勢力分布。

浅井 真吾

2017年も話題に事欠かなかった名駅エリア。丸栄閉店で名駅と栄の格差拡大?

・流通の初売りが人気を集めた1月。昨年同様、2017年名古屋百貨店の状況を振り返ってみる。
・2017年は、4月に名駅で「JRゲートタワー」が開業、4ヵ月で入館者数が100万人突破という人気を集めた。
・また名駅エリアでは、10月にもささしまライブ24地区に複合施設の「グローバルゲート」が開業する等、話題には事欠かなかった。
・一方、名駅エリアと並ぶ商業地域である栄エリアでは、老舗の「丸栄」が2018年6月に閉店することを発表。大丸松坂屋百貨店が名古屋三越栄店の向かいに出店というニュースもあったが、出店時期は2019年以降ということであり、当面は大きな話題もなさそうである。

売上では、高島屋が一人勝ち。3M(松坂屋・三越・名鉄)は漸減傾向。

・名古屋の百貨店を売上でみるとどうなのか。図1は、主要百貨店の売上推移を示したものである。
・2017年は、「JRゲートタワー」開業効果により、JR名古屋高島屋の売上が大きく躍進。他店との差を大きく広げた年となった。その他の百貨店はいずれも昨対割れとなっている。
・ちなみに過去10年間の売上伸長率をみると、高島屋の151.5%に対し、松坂屋名古屋店は94.3%、名古屋三越栄店は79.2%、名鉄百貨店は63.4%。閉店を発表した丸栄に至っては44.1%。過去10年で売上が半減していることになる。

百貨店人気も、売上高に比例。「ラシック」が本家の「三越」を抜く。

・一方、名古屋の百貨店を人気面から見るとどうなのか。愛知県の女性を対象に、主要な百貨店の人気(好きな企業・ブランド)を比べてみたのが、図2である。
・売上と同様、人気面でも高島屋がトップであり、松坂屋が追走している。
・3位は、本家の「三越」を抜いて「ラシック」が浮上。人気面では「ラシック」が「三越」を超えつつある。

 

20~40代は「高島屋」、50~60代は「松坂屋」。年代で分かれる支持ブランド。

・年代別にみると、20~34歳と35~49歳は「高島屋」がトップ(図3、図4)。20~34歳では「ラシック」「パルコ」と続く。

 

・一方、50~69歳では「松坂屋」の人気が根強く、トップを維持している(図5)。

・売上同様、今後は人気面でも高島屋が一人勝ちとなるのか。あるいは今後、栄エリアに出店を計画する松坂屋が巻き返すのか。
・また売上ではやや停滞しているものの、三越栄店は隣接するラシックとの2館を一体化する「SAKAEファッションモール」を推進しており、今後の動向が注目される。

・かつては「4M」と称された名古屋の百貨店も、高島屋の躍進と丸栄の閉店により、大きく変わりつつある。来年1月のレポートではどういった変化が生まれているのか楽しみである。