増加が続くインバウンド!愛知県等、東海3県の外国人宿泊者数の状況は?

加藤 高伸

■ここ数年、中国等アジア諸国を中心に、外国人宿泊者が激増。

・国土交通省観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、日本全体での外国人の宿泊者の延べ人数は、中国人を中心としたアジア諸国(韓国・香港・台湾)からの訪日が平成25年以降、急激に増加しています。(図-1)

・また、その内容をみると、アジアの方で全体の約8割(中国で約25%)を占めています。(図-3)愛知県についても同様で、さらに中国からの比率が高くなっています。(図-2・図-4)

・但し、全国・愛知県ともに、中国の伸びは平成28年には鈍化しています。その背景について、観光庁は「中国からの海外旅行客の増加自体が落ち着いてきた上、欧米やオーストラリアへの航空運賃が下がり、日本旅行と競合するようになったため」とみています。(2017年4月20日の発表)また、昨年10月の報道では、中国政府が一部の訪日団体旅行に渡航制限を実施したようだが、大きな影響はないだろうとの見解ですので、鈍化しつつも増加がしばらく続くだろうという予測のようです。

■中国の比率は全国は26%ですが、愛知県は過半数を超えています。

・国別でみますと、愛知県の場合、アジアからのインバウンドをみると、中国51%、台湾10%、韓国5%、香港4%、タイ4%、インドネシアとマレーシア・フィリピンが各1%でアジアの合計は約80%となります。(図-4)

■何故、近年、外国人宿泊者数が増えてきたのか?

・増加の理由は幾つか想定されており、業界誌等で報じられています。以下にそれらをまとめておきます。

❶経済成⻑による所得⽔準の向上により、海外旅⾏へ行く人々が増加。

❷ここ数年、訪⽇旅⾏に割安感が出てきたこと。つまり、2012年末以降、それまでの1ドル=80円から1ドル=110〜120円まで円安が進んだこと。

❸格安航空会社(LCC)の普及や原油安による燃油サーチャージの低下も割安感の演出に寄与。

❹ビザ緩和等の制度の変化がプラスに働いたこと。2014年、中国で数次ビザが取得しやすくなる等、アジア諸国で緩和が進められました。

❺海外で⽇本への興味・関⼼が⾼まってきたこと。2003年以降、ビジット・ジャパン・キャンペーンというプロモーション活動を進めています。

❻インターネットの普及で、⽇本の伝統⽂化や漫画・アニメなどのポップカルチャーに対して、海外からのアクセスが容易になったこと。

■都道府県別の外国人宿泊者数ランキングでは、愛知県は第8位。

・全国の中で、愛知県の外国人宿泊者数は、第8位であり、第1位の東京都と比較すると、約7分の1となります。ちなみに、岐阜県は第14位、三重県は第23位であり丁度中間に位置します。

・全国的にみると、東京・大阪・北海道・京都・沖縄など、企業が集中していたり、観光資源が豊富で国際的にも既に知られた地域で多いことがわかります。一方、山陰・四国・東北等はかなり少ない状況となっています。

・愛知県も製造業としてはランキング上位であり、トヨタ自動車は世界に知られた企業ですが、観光という面では、全国の中では国際的に認知される場所・施設も少なく、資源不足かもしれません。

■宿泊者数の構成比と外国人宿泊者数の伸び率

・宿泊者数の構成比でみると、外国人の比率が最も高いのは大阪府。 次いで東京都・京都府が続いています。

・東海3県については、岐阜県が第8位で最も高く、次いで愛知県で第10位、三重県はかなり低くて第31位となっています。

・三重県については、外国人の宿泊比率も低く、また伸び率もマイナスです。伊勢志摩という確固たる観光資源はありますが、それは外国の方には響かないのか、または周辺の観光地・施設、および宿泊施設が不足しているのか等、幾つかの理由が想像されます。

■課題と対策の方向性

・近年、外国からの観光客は、定番となっている日本の観光地に飽き足らず、新鮮な体験ができたりする、未だメジャーになっていないローカルな場所を求めて旅行する方が増加してきたという報道が増えています。

・例えば、兵庫県豊岡市にある城崎温泉も訪⽇客が急増しているケースが典型的な例です。外国人観光客が5年間で36倍もの増加となっています。(2017年報道)

・この増加の背景には、明らかなきっかけがあります。それは、大きなホテルが無かったため、団体旅⾏客を受け⼊れられないため、それを逆手にとり、個⼈旅⾏客に狙いを定め、2013年頃から、市は欧州での観光プロモーションを始めたのが、きっかけだったとのことです。

・個⼈旅⾏者の割合が多い、欧州のほか、北⽶、オーストラリアからの集客を狙った作戦でした。2013年にはフランスの旅⾏ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に城崎温泉が2つ星の評価を得て掲載され、英語ガイドブック「ロンリープラネット」でも⽇本のベスト温泉の1つに選ばれました。こうしたことが直接影響して、城崎温泉が欧⽶⼈に広く知られることとなり、城崎温泉の外国⼈旅⾏者の内、欧州、北⽶、オーストラリアからの割合は約半数を占めるようになったということです。

・上の例は、ミシュラン等、お墨付きをもらったことが、やはり大きな要因ですが、いずれにしろ海外のメディアにどう取り上げられるかが大きな要素となることは間違いのないところでしょう。そのメディアが影響力があればあるほど、反響が大きくなるということです。

・東海3県が今後、インバウンドをより一層増加させようとするには、コンテンツである観光対象の地域・施設の充分な検討が必要でしょう。例えば、既成概念にとらわれず、外国人にとって興味・関心を持てる場所・施設か、他と異なる特別な要素・ストーリーがあるのか、何かオンリーワンがあるのか、海外メディアに掲載できる話題があるのか等です。今まで観点・既成概念を離れて、観光をとらえ直す時期になっているといえます。

・受け皿である宿泊施設の整備を含めて検討していくことで、今まで外国人が来なかった地域にも誘導できる可能性はこれからも充分あるだろうと考えます。

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